2021年2月に
京都の伊根という場所に行きました。
そこでデザイナーとして、
ゲストハウスを運営する當間氏と会い話した。
テーマは、地方で建築を生業にすること。
當間氏は、
船屋という独特の建築形式が建ち並ぶ景色に
魅了され移住を決意したという。
そこでのリアルな事情を語ってくれた。
伊根には、建築家はいない。
そこには、工務店があり全てを熟知している。
デザインというよりも、そこで生活する上での仕事を工務店が全て請け負う。
デザインは、需要がないのだ。
この話は、当時建築家はいらないし、デザインがないごとに衝撃だった。
現在は、デザインよりも
自然とともに生きていくサバイバルが
重要視されているからこそデザインは優先ではないのではないかと考えることができる。
心地よさよりも先に、海風から守る基礎や船を格納する梁の構造体、極寒の地を乗り越えるためのシェルターが建築において先に来ているのだ。
そして、それらが満たされてはじめて景色として美しさが生まれる。
そんなリアルな現状のなか格闘する話を
雪景色が美しい2月に
温かいコーヒーを飲みながら
耳を傾けていた。
そして、
かつて実際に使われていた舟屋を
2ヶ所実測をしてきた。
1つ目は、舟屋資料館。
幸洋丸と呼ばれる舟と
捕鯨や漁業道具がずらりと並んでいた。
梁は、二重になっており間には船が架けられるようになっている。
次は、雅という1階は和菓子屋で2階が宿泊施設になっている。
ここもかつては、舟屋であった。
ここでもじっくりと実測させてもらった。
柱が同じ場所に接するように2本建っており、
太い梁を支える役割を果たしている。
メジャーは、
塩水に浸かり後日使えなくなったが
これらの記録は今でも自分の財産となっている。
このような時期にこれて、
人と接して自然と対峙する体験が
今の自分を作っています。
体験に勝る情報はなし。